アメリカ大統領選挙/民主党バラク・オバマ候補当選 福田充(コロンビア大学)



初のアフリカ系アメリカ人大統領の誕生か、初の女性副大統領の誕生か、空前絶後の注目を浴びた大統領選挙となったが、
11月4日、アメリカ大統領選挙は投票前のおおかたのメディアの予想通り、民主党バラク・オバマ候補の圧勝で幕を閉じた。
ニューヨークは民主党圧倒的優位の地盤で、さらにオバマ候補の出身校であるコロンビア大学ではほぼオバマ支持一色であった。
11月4日の投票日には、マンハッタンもミッドタウンのロックフェラー・プラザ周辺や、コロンビア大学北のハーレム周辺では、
夜を徹してオバマ大統領誕生で盛り上がりを見せた。
国を挙げて盛り上がった選挙戦ではあったが、オバマ・ブームを作り上げたテレビや新聞、雑誌などのメディアの偏向報道の実態、
世論調査と支持率データに振り回されるマーケティング政治、そしてテレポリティクスのあり方など、多くの疑問点も
残る選挙戦であったと言わざるを得ない。
リーマンショック以降の金融危機により、アメリカ主導の金融資本主義の破綻と危険性が白日の下にさらされたが、
オバマ大統領の誕生により、大恐慌をニューディール政策により乗り越えたルーズベルト大統領の偉業が再び繰り返されるのか、
「ケインズは死んだ」とまで言われたケインズ主義的経済政策が復活するのか、オバマ大統領による経済政策が果たして
効果をもたらすのか、注目される。
テロ対策においても、イラクからの早期撤退と、アフガニスタンやパキスタンへ「対テロ戦争」の矛先を変更するという
リアリズム路線には政策として妥当性は高いものの、以前として「対テロ戦争」は継続、むしろさらに激化することが予測される。
「CHANGE」というイメージを消費するだけではすまない、アメリカの巨大な問題群への対処能力が問われている。


オバマ候補は30億円でテレビ局7チャンネルのプライムタイム午後8時枠を30分買い取り「オバマーシャル《と呼ばれる「インフォマーシャル《番組を放映した。 圧倒的な優位にある資金をもとに大量なテレビCMを放映したまさに「テレポリティクス《選挙であった。
ニューヨーク・マンハッタンの臨時選挙事務所。 コロンビア大学近くのブロードウェイに描かれた似顔絵。





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○2008年12月よりカウンター設置。